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2018年08月15日(水)

アニメ製作資金を探しに海外へ ~日本との違いに気づいた話~
​月刊放送ジャーナル(雑誌)


日本だけで遅れているのはなぜか?
 アニメ制作会社ピコナの代表取締役を務める吉田健氏が企画・原案、プロデュースする『Midnight Cragy Trail(ミッドナイト・クレイジー・トレイル)』というアニメーション。「マキナ」という名前の魔女が主役だ。実は彼女、魔法を捨てて、普通の女の子になりたくて仕方がない。そこで魔法を捨てる旅が始まる・・・というストーリー設定だ。吉田氏はグラフィックデザイナーとして勤務していたコナミ株式会社を退社後、デジタルハリウッド大学院などで3DCGアニメーション製作やプロデュース業などを一から学び、独立してから現在までの間、約10年以上、この企画を温め続けた。ようやく世に出すチャンスが巡って、香港、中国、フランスと各地のBtoBコンテンツマーケット会場に足を運び、自ら商談を進めた。海外に取引されるルートはテレビ局や代理店を通じて行われることが多い。ごく一部の大手の日本のアニメ制作会社を除いては制作会社が自ら海外出展するなか、オリジナルの企画の資金集めを行っているケースは珍しい。吉田氏に海外で売り込んでいる理由を尋ねると、「日本だけ遅れている気がするんですよね」と答えが返ってきた。会社の規模に関係なく、アニメプロデューサーがオリジナルIP(知的財産権)の資金集めを当たり前のように行っている海外との違いに吉田氏も疑問を持っていた。「日本の場合、世界でも展開できる可能性のあるアニメーションコンテンツを持っていても、日本国内で成功した後に改めて海外展開を考えるケースが多いような気がします。また製作委員会方式を取っている作品は権利処理に時間がかかり、ビジネスにしにくいと考えている海外のバイヤーも多いようにも感じています」
 『Midnight Cragy Trail』は企画段階から海外展開を見据え、制作会社ピコナ1社で権利処理を完結させることができるため、国内外問わずチャンスを探り始めている。
 
日本『売れた場合の数字の見込みは?』海外『いくら欲しいの?』
 海外に足を運び続けるなかで、日本とは商談の進め方に違いがあることも気づかされたという。「日本では導入から原作の有無や『売れた場合の数字の見込みは?』と聞かれることが多いです。要はリスクを小さくしたいという安心感が求められます。一方、海外では『いくら欲しいのか?何が必要なのか?』といったスタンスなんです。もちろんビジネスなので損得も考えてのことですが、会社のネームバリューとは関係なく、対等に話を進めてくれるため、門戸は広いように感じます。」
 ビジネススタイルがやりやすいと感じたとしても、受託の仕事に追われる毎日の中で、オリジナル作品と向き合うモチベーションはどこから生まれたのか。「ここ数年の流れとして、アニメの作品数が非常に増えていることで、仕事が多くなってきているのは喜ばしいことではあるのですが、作品制作において権利を持つ機会はなかなかないのが現状です。それが最近はNetflixのようなネット配信事業者が日本アニメに興味を持ち始めたことで、アニメ制作会社も主導権を持ちやすい時代に入り、制作会社にもチャンスがきていると考えています。」
 日本ではチャンスを掴みにくい場合でも海外で思わぬところから実現の可能性は潜在的に多いかもしれない。
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