仮想空間の利用に際して、皆がアバターを持つことは、人類の変容を全世界的に引き起こすことになるだろうーーこれは、私が30年前から思っていたことです。確かに人は祭りなどにおいて仮装することはあるけれど、デジタルのアバターの可能性や多様性は、人類に何をもたらすのか? 外見だけでなく声までも変えられる、なんならマイケル・ジャクソンのように踊れるというのは、私たちの生活をどう変えるのか? そのことが日本のアニメ文化に深く影響されて始まったという事実も、大変興味深いものがあります。
今年の近未来教育フォーラムのテーマは「Being Avatar」。アバター文化の最前線ともいえるバーチャルYouTuber=VTuberなどを題材に、これからの教育について考えてみたいと思います。
近未来教育フォーラムは、教育機関、自治体、企業などの皆様に、デジタルハリウッドの教育実践と研究成果を紹介する場として、2010年より毎年開催しています。
3年ぶりにリアル会場(本学駿河台キャンパス)での開催となる2022年度のテーマは「Beign Avatar」。コロナ禍以降、ユーザーがアバターを用いて生活する仮想世界=メタバースが人口に膾炙し、アバターと実在する人間との関係性はますます深化、複雑化しています。基調講演ではアバターが生み出す創造的なデジタルライフの意味や価値について、改めて問い直します。
また、デジタルコミュニケーションと教育の現在地をよりよく理解することを目的に、教育DXや高大接続に精通した有識者による講演を行います。加えて、デジタルハリウッドが擁する各教育機関(4年制大学、専門職大学院、専門スクール、オンラインスクール等)が取り組む教育実践の報告を通じて、これからの教育への提言を行います。
当フォーラムがデジタルトランスフォーメーションの「その先」を照らす、一筋の光となることを願っています。
VR/ARの発展やメタバースの深化によって、バーチャルと現実社会との融合が進んでいます。中でもVTuberをはじめとするアバター文化の隆盛は、デジタルコンテンツと人間性の境界が溶け始めていることの証左とも言えます。ビジネス・テックメディア「Mogura VR News」の編集長・すんくぼ(久保田 瞬)氏とともに、その現在地について考えます。
慶應義塾大学法学部政治学科卒業後、環境省入省。2015年にVRやAR、メタバースの専門メディア」Mogura VRを立ち上げ、株式会社Moguraを創業。この分野が社会を変えていく無限の可能性に魅了され、それを広げる事業を展開している。XR/メタバースの動向分析、コンサルティングが専門。現在は子育てをしながら事業推進に、講演にと奮闘中。一般社団法人XRコンソーシアム事務局長、一般社団法人VRMコンソーシアム理事。著書「メタバース未来戦略 現実と仮想世界が融け合うビジネスの羅針盤」、日経BP(2022)。
聞き手 : 池谷 和浩(いけたに かずひろ)
デジタルハリウッド 大学事業部 執行役員/DHU 事務局長
個人の可能性を伸ばし挑戦できる機会(=個別最適化学習、学習者本位の学び)を学びの場*に実装していくためには、教育データやアバターなどの新たなデジタルテクノロジーを使いこなしていく必要があります。教育DXの分野で活躍する有識者とともに、求められる教育・学校・教職員の再定義と実行可能なアクションプランを議論します。
*今回、「初等中等教育、高等教育、生涯教育」を包含する概念として使います。1992年日本電信電話株式会社(NTT)入社。2002年デジタルハリウッド株式会社執行役員に就任。2004年株式会社グローナビを立ち上げ代表取締役に就任。2009年同大学院事務局長や産学官連携センター長を経て、2017年一般社団法人教育イノベーション協議会を設立、代表理事に就任。現在は専任教授として学生指導を行う。内閣官房教育再生実行会議技術革新ワーキンググループ委員、経産省未来の教室とEdTech研究会座長代理など教育改革に関する国の委員や数多くの起業家のアドバイザーなどを務める。著書『EdTechが変える教育の未来』(インプレス)。
慶應義塾大学環境情報学部卒業後、日本銀行、世界銀行等を経て、コロンビア大学にてMPA、Ph.D.取得後現職。専門は教育経済学。規制改革推進会議、産業構造審議会等で有識者委員を務める。著書はビジネス書大賞2016準大賞を受賞した「『学力』の経済学」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、週刊ダイヤモンド2017年ベスト経済学書第1位の『原因と結果』の経済学」 (共著、ダイヤモンド社)など。
県立高等学校国語科・情報科教員20年、奈良県教育委員会の指導主事、主幹等13年を経て、2021年4月から現職。文部科学省教育データの利活用に関する有識者会議、GIGAスクール構想下での校務の情報化の在り方についての専門家会議委員等。著作物の教育利用に関する関係者フォーラム初等中等教育専門WG委員。専門は、教育DX、AI、教員養成、語源、万葉集、中世軍記物語。
2025年度の大学入試について考えるデジタルハリウッド大学の入試変革プロジェクト「#DHUEEX2025」の中間報告会を行います。高校生から投稿されたアイディアをもとに、参加者全員で「考える」にとどまらず、新しい入試をつくってしまいましょう!
岐阜県出身。理想の大学教育を求め、日本全国約800大学をすべて訪問。海外は14か国3地域約100大学を取材し、全国の高校で年間約150回の進路講演を実施。大学・高校の経営コンサルティング業も行う。編集者としては20万部のベストセラーを出し、最も売れた著書は7万2千部。YouTubeは1000万再生、Twitterはフォロワー2万1千人と、様々なメディアを使いこなす。
Twitter:@yamauchitaiji
愛知県出身。2013年リクルート入社、他事業を経て4年目にスタディサプリへ。異動後、「いつも高校生の味方となり伴走し続ける」をコンセプトに進学マガジンをリニュアル。高校生エディター組織を立ち上げる等、ファン醸成をキーにメディアを通したコミュニケーションの在り方を再編。現在は、3000名以上の高校生エディターと協働し、進学マガジン・アプリ・メール等やブランディングに携わる。
2018年結成。オープンキャンパスをはじめとするデジタルハリウッド大学(DHU)の広報活動の企画・運営に携わることを通じて、「高校生・受験生への適切な情報発信を行う」「大学のことをよく知り、学生生活を充実させる」「社会人スキルを身につけ、学外インターンや就職活動へつなげる」ことを目的に活動している。2022年10月現在、5.5期生4名が活動中!
Instagram:@dhucprp
進行 :
田中 あゆみ(たなか あゆみ)
デジタルハリウッド大学4年 一般社団法人lightful代表理事
小勝 健一(おがつ
けんいち)デジタルハリウッド大学 入試広報グループ マネージャー
学生がアート作品をつくる現場を体感できる滞在型制作活動であるデジタルハリウッド大学大学院のアーティストインレジデンスについて、担当するAKI INOMATA特任准教授が現状を中間報告します。あわせて、メディアアートのアーティストやプロデューサーやエンジニアをゲスト講師に招聘する大学院の専門科目の特別講義(メディアアート特論)についてその内容を紹介します。
2008年、東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻修士課程修了。東京都在住。2017年、アジアン・カルチュアル・カウンシルのグランティとして渡米。生きものとの関わりから生まれるもの、あるいはその関係性を提示している。 ナント美術館(ナント)、十和田市現代美術館(青森)、北九州市立美術館(福岡)での個展のほか、2018年「タイビエンナーレ」(クラビ)、2019年「第22回ミラノ・トリエンナーレ」トリエンナーレデザイン美術館(ミラノ)、2021年「Broken Nature」MoMA(ニューヨーク)など国内外で展示。
モデレーター : 木原 民雄(きはら たみお)
デジタルハリウッド大学大学院 教授 / 同デジタルコンテンツ研究科 研究科長
三菱商事、ヤマト運輸、東急建設など、DXを推進する大企業が、スタートアップ育成機関G's ACADEMYのプログラムを社内新規事業開発プロジェクトに採用するのは何故か。デジタルを学ぶのではなく「X」=「トランスフォーメーション」を学ぶのは何故か。DXの基礎を歴史から解説し、社内で本当にDXを実現するために欠けている前提条件を理解していきます。
25年間で10ブランドの新学校設立をプロデュース。デジタルハリウッドスクール統括の後、2015年G’s ACADEMY を設立。卒業生専用スタートアップ支援機関『D ROCKETS』も創立し、創業指導・支援を全面的にハンズオンサポート。
デジタルハリウッド大学「VR/ARゼミ」では、メタバースとアバターを活用したゼミの実践を3年間行っています。そこから見えてきた学生とアバターの関係、メタバース大学のUXと、真に利用価値のあるメタバース大学の在り方について実践経験をもとに考察します。
トミー(現タカラトミー)、Web制作会社などを経て、2007年に株式会社キッズプレートを設立し、VRコンテンツ制作に注力。アベマTV「 にじさんじのくじじゅうじ」、文化庁・文化財多言語解説整備事業(VR発願体験)等のコンテンツ制作を行う。アバター会議参加システム「NICE CAMERA」を開発。全員アバターによる授業や遠隔での授業を行い、メタバースを活用した次世代の生き方について検証と実践をしている。
デジタルハリウッドが長年蓄積したノウハウを基にしたデジタル人材育成のための包括パッケージをご紹介。地方における効果的な人材育成のヒントを提示します。動画教材を組み合わせたハイブリッドカリキュラム、受講生が受講期間内に実績を積むことができる企画、遠隔で地方に合わせた講座を開く際のポイントなど、事例を交えながら解説します。
デジタルハリウッドにて主に大学・専門学校・高校・民間教育事業者・自治体の課題解決のためのソリューション提案を行う。2021年度から岡山県高梁市、高知県などの自治体案件でプロジェクトリーダーを務める。
オンラインを用いた授業で重要なのは学生の能動学修を促す“仕掛け”であると考えます。デジタルハリウッド大学大学院「デジタル表現基礎」の授業では、Web/CG/プログラミングなど6領域の動画教材から、学生が選び、自主学習するスタイルと能動学修を促す様々な仕掛けで、一般的なeラーニングと比べると高い修了率を実現しています。本授業のポイントと実施する中で見えた課題などをお話しします。
大学卒業後、大手キー局にて報道番組を中心に編集・動画配信・ディレクションを担当。 2004年デジタルハリウッド入社以来、数多くの新規事業に携わる。 番組制作と新規事業経験を活かし、現在は映像教材や教育メディアを開発。 そして、デジタルハリウッド大学大学院の実務家教員として映像教材の教育効果を研究、その成果やインストラクショナルデザインの観点からの教職員向けのオンライン・動画活用研修を手掛ける。
デジタルハリウッドの卒業生と企業への取り組み、学校として第3の働き方の卒業生への提案を行います。発注者とクリエイティブ人材との新たな関係性を提言し、ランサーユニット(https://lancerunit.jp/)のサービス開始の背景・内容・展望を解説致します。
大学卒業後イオン株式会社入社、新規事業部門を経て、グラフィックデザイナーに転身、その後、デジタルハリウッド株式会社に入社し、専門学校提携事業、法人研修事業、日本初の株式会社立大学大学院、デジタルハリウッド大学院大学設立、スクール事業部を経て、クリエイティブ人材のマッチング事業、xWORKS事業を立ち上げ、現在、複数のフリーランスのクリエイティブ人材をユニットにして企業提供にするサービス「ランサーユニット」を展開している。
会場
デジタルハリウッド大学 駿河台キャンパス3F
(東京都千代田区神田駿河台4-6 御茶ノ水ソラシティアカデミア)
最寄駅
JR「御茶ノ水駅」聖橋口より徒歩1分
東京メトロ千代田線「新御茶ノ水駅」B2出口直結
東京メトロ丸ノ内線「御茶ノ水駅」より徒歩4分
JR「秋葉原駅」より徒歩9分
車でお越しのお客様
ソラシティ駐車場をはじめ会場周辺に一般駐車場はございますが、数に限りがございます。公共の交通機関をご利用ください。