奔流eビジネス 三淵啓自 アバター、「分身」現実感増す
日経MJ(東京)(新聞)
一般的にアバターのイメージは操り人形やゲームのキャラクターのイメージが強い。しかし本来神が人間や動物に乗り移って下界を体験する現象で、コンピュータが作り出した仮想空間内において、自分の分身を通して仮想体験することだ。
五感を再現できるレベルにはまだ時間がかかるが、来年には視覚、聴覚を通して没入感や存在感を感じられるような仮想現実デバイスが市場に出る予定だ。誰でも分身としてのアバターの意味を理解できるようになるだろう。
仮想空間内での体験や価値についてはイノベーションの過渡期であるため、まだ社会的認識が追いついていない。今はその価値や生活基準、社会構造が変化している最中だ。だが土地などの物理的財産や著作権などの知的財産権に加え、仮想価値という新しい財産の概念が必要になってきている。
(デジタルハリウッド大学教授 三淵啓自)