[特集論文―Ⅲ] 世界オンリーワン都市への道
一橋ビジネスレビュー(雑誌)
[特集論文―Ⅲ] 世界オンリーワン都市への道
杉山知之 デジタルハリウッド大学学長
東京は、漫画やアニメ、ゲーム、デジタルコンテンツをはじめ、ものづくりへのこだわりと、最新のテクノロジーを取り込んで、おびただしい数の作品を続々と生み出す「高度情報工芸文化都市」である。たとえば、世界の若者に多くの影響を与えてきたテレビアニメは、国家の誇るべき文化資源でもある。著者は、四半世紀前にデジタルハリウッド大学を開学し、まさにデジタルコンテンツ制作・教育の最前線で活躍してきた。同大学は、学生の3分の1以上が日本のコンテンツに憧れてやってきた留学生であり、今後の東京の未来を先取りしているといえる。本稿は、そうした著者が2度目のオリンピックを迎えるにあたっての、60年余りの同世代史としての東京の変遷と抱える課題、そして、世界中から若者が集まり、オンリーワン都市となる未来像を描いたものである。