デジタルハリウッド大学の
学発ベンチャー「ToposWare」
シードラウンドで約2 億円の資金調達を完了
ブロックチェーン・プラットフォーム開発で
デジタル時代のデータプライバシーの発展に貢献
文部科学省認可の株式会社立の大学としてデジタルコミュニケーション学部(4年制大学)とデジタルコンテンツ研究科(専門職大学院)を設置しているデジタルハリウッド大学(所在地 東京・御茶ノ水、 学長 杉山知之)では、 デジタルコミュニケーションが基盤となる社会を、 より幸せにする提案を行い、 自ら実装する機関をつくるというビジョンのもと、 学発ベンチャーを支援しています。
この度、 デジタルハリウッド大学が創業支援を行った株式会社ToposWareが資金調達を完了したことをお知らせいたします。
株式会社ToposWare(本社:東京都文京区、 代表取締役:山口揚平、 以下「ToposWare」)は、 デジタルハリウッド大学大学院の修了生であるゴーチエ・テオ・ケビン氏とタリック・ジャワド氏によって創業されました。 (URL: https://toposware.com )
写真右よりゴーチエ・テオ・ケビン氏とタリック・ジャワド氏
2名は、 デジタルハリウッド大学の留学生としてデジタルコミュニケーション学部に入学し、 数学理論とプログラミングを駆使したゲーム開発を行って卒業した後、 デジタルコンテンツ研究科へ進学。 三淵啓自教授(担当:コンテンツ情報処理ラボ)をはじめとする教員の指導を受けながら、 修了課題制作としてブロックチェーン活用に関しての研究と開発をしてきました。 その過程で、 現状のブロックチェーンの問題点なども浮き彫りになり、 それらを解決するべく新しいブロックチェーン・プラットフォーム開発のために、 起業に至りました。
デジタル技術の発展とトラッキングの普及などにより、 センシティブ情報の漏洩・悪用の脅威とデータセキュリティの重要性はこれまでになく高まっています。
そんな社会情勢の中、 ToposWareは、 高度なデータセキュリティを求める行政機関や企業、 個人に向けて、 プライバシー・ブロックチェーンを開発しました。 ToposWareのソリューションは、 暗号資産の決済はもちろん文字列やファイルなどの多様なデータを対象に、 高度な秘匿性と改ざん耐性を実現します。 「ゼロ知識証明」という、 ある知識を送信せずにその知識を保有していることを証明する暗号論的手法も活用しています。 プロトコルレベルでの開発により、 マシンパワーや電力を使わないローコストブロックチェーンのプロトコルを開発に成功し、 太陽電池とマイコン上で運用ができる事は実証済みです。 この成果を応用した事業をデジタルハリウッド大学の学発ベンチャーとして株式会社ToposWareが設立されました。
2名の修了後もデジタルハリウッド大学の設置会社であるデジタルハリウッド株式会社のインキュベーション機関「D ROCKETS」からの出資および創業支援を続けて参りましたが、 マネックスグループ株式会社の松本大社長や株式会社ミクシィの笠原健治会長をはじめとしたエンジェル投資家、 デジタルハリウッド株式会社をはじめとした事業会社を引受先とした第三者割当増資を実施し、 4月30日までに1億9700万円のシードラウンドの資金調達を完了したことで、 ゼロ知識証明を利用したブロックチェーンの提供と、 データプライバシーを求める企業との実証実験を2020年内に進める運びとなりました。
本リリースでは上記お知らせとともに、 創業支援を行った指導教員と、 デジタルハリウッド株式会社(設置会社)のインキュベート機関である「D ROCKETS」事業責任者からのコメントを記載いたします。
【指導教員 三淵教授】
「テオとジャワドは、 実現したい世界観と理想をもって、 ブロックチェーンの中央管理がない新しい情報システムのプロトコルを製作し、 ローコストかつローエナジーの地球にやさしい分散型のシステムを無償で、 オープンソースとして提供するために、 起業し開発に邁進しています。 資本や情報、 そして個人情報などの集中を阻止し、 個人としてのプライバシーと権利を担保した、 あたらしい世界を築くためにインフラになってほしいと思っています」
【D ROCKETS事業責任者 児玉浩康】
「世界の格差問題の解決を目指す志と、 新たなブロックチェーンを構築する特筆すべき技術力、 そしてその技術を活用したスケールの大きな構想力など、 ぜひとも支援させてほしいスタートアップでしたので、 投資という形で長期にわたって連携できることを嬉しく思います。 これからもデジタルハリウッド株式会社では高い志をもった学発ベンチャーの「社会実装」までを支援してまいります。 」
デジタルハリウッド大学では、 留学生としてそれぞれ違う国から日本へやって来て、 デジタルコミュニケーションを共に学んだ創業者2名の、 世界の大きな問題への挑戦を応援するとともに、 ToposWareが掲げる「Privacy for everyone」のビジョンに共感し、 学発ベンチャーとしての支援を継続することを通じて、 デジタル時代のデータプライバシーの発展に貢献して参ります。
【株式会社ToposWare】
2019年1月創業。 「Privacy for everyone」をビジョンに独自のブロックチェーン・プラットフォームを開発するスタートアップ。 フランス、 パキスタン、 日本、 中国、 米国などを出身地とする暗号学者やソフトウェアエンジニアなどで構成され、 東京を拠点として活動。
(Webサイト: https://toposware.com )
Theo Gauthier, M.Sc
フランス出身。 パリ大学数学科および情報工学出身、 デジタルハリウッド大学大学院修了。
2016年からブロックチェーン開発に関わり、 CreditCoin社でのブロックチェーンアーキテクトやOpiria社でのテクノロジーマネージャーなどのブロックチェーンプロジェクトに携わる。
Jawad Tariq, M.Sc
パキスタン出身。 デジタルハリウッド大学大学院修了。 株式会社ソレイユでネットワークおよびシステムエンジニアを勤める。
仮想通貨を支えるブロックチェーンシステムの研究者。 イーサリアムを利用したブロックチェーンシステムの開発経験者。
【D ROCKETSとは】
http://www.dhw.co.jp/d_rockets/
デジタルハリウッドが運営する各スクール、 大学および大学院の卒業生を対象に、 起業を支援するためのインキュベート機関として2016年6月に設立。
起業家とエンジニアの化学反応を引き起こし、 「セカイを変えるようなWebサービスを日本から産み出す」ことを目指す。
【デジタルハリウッド大学[DHU]】
2005年4月、 文部科学省認可の株式会社立の大学として東京・秋葉原に開学(現在の所在地は東京・御茶ノ水)。 デジタルコミュニケーション学部(4年制大学)とデジタルコンテンツ研究科(専門職大学院)を設置している。
デジタルコミュニケーション学部では、 不確実で予測不能な未来を自分らしく生き抜く力を身につける。 デジタルコンテンツ(3DCG/VFX、 VR/AR、 ゲーム・プログラミング、 映像、 グラフィック、 Webデザイン、 メディアアート等)と企画・コミュニケーション(ビジネスプラン、 マーケティング、 広報PR等)を産業界の第一線で活躍する教員から幅広く学べる一学部一学科制を採用。 さらにグローバル人材を育成するために外国語の重点的な学習プログラムを備え、 留学を推進している。 世界40か国・地域出身の学生が在籍し、 御茶ノ水駅前で多様性に富むキャンパスを運営している。
デジタルコンテンツ研究科では、 超高度情報化社会においてデジタルコミュニケーションを駆使し、 社会に変革を起こすリーダーを輩出すべく、 創発的学究領域 [SEAD(Science/Engineering/Art/Design)]の4要素をバランス良く身につけ融合し、 理論と実務を架橋する人材育成を行う。 新規事業プランニングとプロトタイピングなど、 院生のアイデアの実装およびスタートアップ支援により、 「平成30年度大学発ベンチャー調査」(経済産業省)では全国大学中 11 位、 私立大学中 3 位となっており、 多数の起業家を輩出している。
【デジタルハリウッド株式会社】
1994年、 日本初の実践的産学協同のクリエイター養成スクールを設立。 現在、 東京と大阪に専門スクールと、 全国の各都市にWebと映像について学べるラーニングスタジオ「デジタルハリウッドSTUDIO」、 そしてeラーニングによる通信講座「デジハリ・オンラインスクール」を展開。 2004年には、 日本初となる株式会社によるビジネス×ICT×クリエイティブの高度人材育成機関「デジタルハリウッド大学院(専門職)」、 翌年4月には「デジタルハリウッド大学」を開学。
設立以来、 9万人以上の卒業生を輩出している。
さらには、 2015年4月、 スタートアップ志望者を対象としたエンジニア養成学校『ジーズアカデミーTOKYO』を開校、 同年11月には日本初のドローンビジネスを皮切りに、 ロボットサービス産業の推進を目的とした『デジタルハリウッド ロボティクスアカデミー』を開校した。 デジタルコンテンツ業界の人材育成と、 産業インキュベーションに力を注ぐ。
2019年に設立25周年を迎えた。